2009年07月22日

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「カイザー・ヴィルヘルム・デア・グロッセ」

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それまで40年以上英国が保持していたブルーリボンを初めて初めて勝ち得た北ドイツロイドの「カイザー・ヴィルヘルム・デア・グロッセ」である。

ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世が、1889年8月にポーツマス沖のスピットヘッドで行われた大英帝国海軍観艦式に出席して、HMS テュートニックとして観艦式に参列した高速客船(ホワイトスター社の新鋭客船であったが、4.7インチ速射砲8門を搭載し武装商船/仮装巡洋艦としてロイヤル・ネイビーに編入されていた)を見て、帰国後ドイツの2大海運会社、ハンブルク・アメリカ・ライン(HAPAG)と北ドイツロイド(NDL)に「われわれもあのようなものを持たねばならない」と伝えられたと言われている。

これに応じて、NDLが建造したのが「カイザー・ヴィルヘルム・デア・グロッセ」である。

細長比(L/B)が9.8と巡洋艦のように細長い船体に、史上最初の4本煙突を立てた本船は見事に大西洋横断記録を更新した。

引き続きHAPAGも「ドイッチュラント」を建造してドイツの海運会社同士で競合したのである。

これに対してイギリスのキュナードは英海軍省の助成を受けて「モレタニア」、「ルシタニア」を建造し、この両船が20年以上ブルーリボンを手放さなかったのである。

そして、これを奪還したのがNDLの「ブレーメン」、「オイローパ」であった。

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