2005年05月29日

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(客船のポスター:3) モレタニアか?アキタニアか?

Mauretania1.jpg

リバプールで求めた絵葉書である。

キュナードラインのポスターで、絵葉書の裏には船はMAURETANIAで、描いた画家はコリン・アシュフォードとある。

ところが、別項でも引用した「Ocean Liner Collectibles」には、このポスターと殆ど同じ構図のポスターがあった。

それによると描かれている船はAQUITANIAであり、1920年代にケネス・シュースミスによって描かれ、1千ドル以上で売られたという。

精査してみると両ポスターには細部で微妙な違いがある。
 
船尾アングルの両船の写真と見比て、私はモデルの船はアキタニアではないかと思っている。
 
ニューヨーク出港の情景で、本船の大きさを誇示するように介添えのタグボートのシルエットは小さく描かれている。

美しいカウンタースタンにブルーエンサインが誇らしげである。

4本の煙突から立ち上る白煙が描かれているが、モレタニアもアキタニアも4本煙突は本物で、オリンピック級やノルマンディのようなダミーファンネルはない。

モレタニアは、ニューキャッスルのスワン・ハンターで1907年に建造された。
総トン数は31938総トンである。

アキタニアは、クライドバンクのジョン・ブラウンで1914年の建造である。
総トン数は45647総トンである。

このポスターもデザインが良い。
ニューヨークの摩天楼の間に出港するモレタニアの後姿を配し、両側の建屋と垂直に立ち上る煙で上に伸びる縦の構図を決めている。
控えめな色調を用い、前景のタグボートと両側のビルディングをシルエットとすることで北大西洋航路の客船を引き立てている。

それにしても、こんなことがあって良いものだろうか?

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