2006年06月25日

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(飛行船:53) 半硬式飛行船「ツェッペリンNT」

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今日は先日飛来した(株)日本飛行船の半硬式飛行船「ツェッペリンNT」について少し紹介したい。

この飛行船はドイツ・フリードリッヒスハーフェンのツェッペリン飛行船技術会社(Zeppelin Luftschifftechnik GmbH & Co KG)で建造された半硬式飛行船で、その前身は DZR の「Bordensee」(登録符字:D-LZZR )である。

骨格に軽金属ではなくカーボンファイバーを用いているので硬式ではなく、半硬式飛行船と呼ばれている。

3隻建造され、1隻はフリードリッヒスハーフェンを拠点にドイツで遊覧飛行を行っており、もう1隻は南アフリカでダイモンド鉱床の探査に従事している。

全長75m、最大幅19.5m、最大高17.4m、エンベロープ容量8225立方m、原動機出力200HP×2、最高速度125km/h、航続距離900km、後続時間は24時間以上で、乗員2名、乗客12名である。

プロペラは両船側と船尾にあり、方向を変えられる可変ピッチの採用により操縦性能が向上したのでグランドクルーも3人程度で運用できるそうである。

当初、ドイツから1929年の「グラーフ・ツェッペリン」のようにシベリア上空を経由して自航する計画であったが、当局の認可が下りなかったため尾翼を取り外してドック船に積載し、コンテナでまわりに囲壁を立て六甲アイランドまで海上輸送された。

南アフリカのキンバリーでダイアモンド鉱床探査に用いられている同型船もケープタウンまで海上輸送された模様である。

(株)日本飛行船所属の飛行船は輸入されたとき、「ようこそジャパン」とペイントされていたため「ようこそジャパン」号とか、同時にコニカミノルタの宣伝広告をしていたので「KONIKA MINOLTA」号と呼ばれていた。
その後トヨタの宣伝で「TOYOTA Vitz」号、新日本石油の「ENEOS」号、シュガーレディーの「シュガーレディー」号、日本BMWの「BMW」号とその都度愛称が変わるのは如何なものであろうか?

同船は国土交通省に航空運送事業の申請も準備中とのことであるが1隻で複数の事業を手掛けるのは難しいのではなかろうか?
フリードリッヒスハーフェン(独)のDZRの遊覧飛行も年次運行計画が発表になると間もなくキャンセル待ちの状態である。
「チャーターが入ったから遊覧飛行は中止」と言うわけには行かないであろう。
いつでもチャーター出来て、いつでも乗れる状態では採算に載らない。

この件はしばらく様子を見守るほかはなさそうである。

私は来年フリードリッヒスハーフェンでDZRのツェッペリンNTに乗る予定である。


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