2006年08月23日

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(飛行船:91) LZ-129「ヒンデンブルク」のAデッキ

LZ129Adeck.jpg

LZ-129「ヒンデンブルク」はツェッペリンとして初めてヘリウム飛行船として計画された。

LZ-127「グラーフ・ツェッペリン」が乗客定員僅か20名であった、いわば試行船であったのに対して「ヒンデンブルク」はツインルーム25室とし乗客定員50名で計画された本格的旅客船であった。

このため乗客の居住区は主船体の中に2層の甲板を張り、上のAデッキには乗客のキャビンのほか広いダイニングルーム・ラウンジ・サロンが、その下のBデッキにはキッチン・士官用と部員用に分かれた食堂・喫煙室・バー、それにトイレやシャワールームが設けられていた。

アメリカでしか生産できないヘリウムの供給を断られたため、水素飛行船として完成したが、サロンに積み込まれたピアノはヘリウムと水素の比重差を補償するためだったと言われている。

この乗客用居住区はステーション173からステーション188までの間に長さ15mにわたって設けられ、Aデッキの幅は25m程度、Bデッキはその半分程度の幅であった。
毎航、満室で運航されていたので後に乗客居住区は増設された。

続いて建造された同型のLZ-130「グラーフ・ツェッペリン(Ⅱ)」はレークハーストで「ヒンデンブルク」の大惨事のあと竣工したためにヘリウム船として完成したがこれといった目立った活躍もせず解体されてしまった。

このイラストはMadison Press刊 Rick Archbold(文),Ken Marschall(画)共著の ”HINDENBURG − Illustrated History − ”から複写したものである。

K. Marschall氏の筆によるAデッキの詳細は部分的な写真などの記録を参考に描かれたもののようでプロムナードの様子などがよく判る。

今後、各部の詳細について検討したいと思っている。

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