2006年12月02日

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(飛行船:173) ツェッペリンアルバム(写真:第53回) 写真71 −メインリングの組立−

Bild71.jpg
[71枚目:メインリングの組立作業]

この写真は建造用格納庫のフロア上でメインリングを組み立てている状況である。

右うしろの補助リングが単純に三角形に組んだフレームを環状に接続しただけであるのに対してメインリングはトラス橋のように菱形に組む建造法が採用されていることが判る。

メインリングは平均15m間隔で、対角線に鋼索で交差して結ばれていた。

メインリングによりこの飛行船は、それぞれ浮揚ガス房を収めた17の区画に分割されていた。

それぞれの区画にいっぱいのガス嚢が収まるので、メインリングの間に5m間隔で2つ配置されている補助リングは、薄い菱形となる補強材もリングの形状を保持するための対角線相互を結ぶ鋼索なく、単に縦通材の支点となるだけである。

造船所で言うと、原寸場と船体を組み立てる船台を兼ねた工場であり、完成した飛行船を引き入れて整備や積み込みを行う格納庫とは基本的に違うことが判る。

こうして組んだ16本のメインリングと、ほぼその数の倍の補助リングを所定の位置に建て付けて縦通材でつなぐと飛行船の外郭となるのであるが、そのときの位置決めが大変だったであろうと想像する。

今日のようにレーザー光源等なかったであろうし、長大なので糸やワイヤは弛むので基準としては使えない。取付・組立作業の指揮はマイスターでなければ出来ない仕事である。
船首端・船尾端だけが立体ブロックとして組み立てられ、ノーズコーンと船尾ブロックがリングと縦通材と結合された中央部分と接合されて飛行船の主船体になるのである。

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