2007年02月01日

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(飛行船:230) ツェッペリンアルバム(写真:第109回) 写真174〜176、カード177 −世界周航達成−

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[174枚目:静かな大洋の夕暮れ]

8月23日の午後3時過ぎに離陸した「グラーフ・ツェッペリン」は三陸沖を目指して北上し、大圏コースに従って飛行する予定であったが、夕刻から気圧が下がってきた。

この写真は西に傾いた夕日を撮ったものであるが低い雲が発生している。

夜半になると雷鳴、稲光を伴った猛雨におそわれたが、この低気圧圏を過ぎると比較的平穏であったようである。

北緯40度から45度近くまで北上して航行した。

霞ヶ浦から乗船した、後に連合艦隊参謀長になる海軍少佐草鹿龍之介は飛行高度を測定するために船上から海面に向けて発射される小銃音を聞いている。

東京からロサンゼルスまで9653kmを79時間3分で飛び、8月26日午前5時35分にロサンゼルスのマインスフィールド基地に到着した。
平均時速122km/時であった。

草鹿少佐はここで日本代表として挨拶し、米国最初の日本語の放送と言われたが、まもなく急性肺炎にかかりリンカーン病院に3週間入院した。

「グラーフ・ツェッペリン」はここで燃料補給を行い、27日午前0時14分にレークハーストを目指して離陸した。

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[175枚目:米墨国境の街、エルパソ]

そこからは南寄りにコースをとって、国境近くのエルパソをその日の午後通過している。
下やや左に「グラーフ・ツェッペリン」の影が映っている。

この区間の乗客は17名であった。

ロサンゼルスからレークハーストまで4822kmを飛行するのに51時間57分を要している。

逆風に逆らっての飛行で、この間の平均時速は100km/時を割り込み92.8km/に留まった。

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[176枚目:フリードリッヒスハーフェンへ帰還]

ここでエッケナー博士は「グラーフ・ツェッペリン」を降り、フリードリッヒスハーフェンまでの帰途はレーマンが指揮をとって帰還している。

この区間の乗客は記録によると23名となっている。

乗客用キャビンがツイン10室しかないこの飛行船に23名をどう乗せたかというより、携帯手荷物の制限が一人20kgと厳しい重量制限の方が気になる。

この区間8478kmを67時間31分で飛行し34200kmを12.5日で回って世界周航は成功裏に終わった。

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[177枚目:世界周航記念硬貨]

ワイマール共和国ではこの快挙を記念して翌年に3マルクと5マルクの記念銀貨が発行された。

このタバコカードアルバムで写真でないのはこの177枚目のカードだけである。

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