2008年11月11日

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飛行船四方山話(6):飛行船の動的揚力

GRAF2A5a.jpg

前回に引き続き、今度は動的揚力である。

難易度は低くなるが、静的揚力とおなじ中級としておこう。

[区分] 飛行原理
[級]  中級

[問題]
飛行船は静的揚力と動的揚力を利用して運航されます。
動的浮力とは空気との相対速度により飛行機の翼に働く揚力と同じで、前進方向に迎角をとることにより得られます。
長さ約237m、最大直径約30m、容積約20万千立方mの「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」がトリム角(迎角)12度で全速で前進しているときの動的揚力はおよそどのくらいでしょうか。

 1.約4トン
 2.約8トン
 3.約12トン
 4.約16トン

[答] 3

[解説]
これはあくまで理論上の値ですが、トリム5度で8トン、12度で12トンと言われていました。
通常の運航では10度を超える前後傾斜で運航することはありませんでした。
「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」の場合、1度の迎角(トリム)で得られる動的揚力は2トン、2度では3.5トン、3度で4.5トン、5度で6.5〜8トン程度です。

浮力が強すぎるときには浮揚ガスの水素を放出する代わりに、逆トリム(前下がり)にして下向きの動的揚力を得ていたこともあるそうです。

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見出しの絵は、7月に描いてみたスケッチ(下図)に手を入れている途中の状態である。


GRAF2A5.jpg

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