2008年12月22日

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飛行船四方山話(47): 高度測定方法

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いろいろな測定法を考案した・・。

[区分] 運航・航法
[級]  中級

[問題]
はじめて洋上運航に乗り出したツェッペリン飛行船では様々な測定方法を考案し、改良を重ねて行きました。
飛行船にとって、高度計測は重要な項目です。
その測定原理から水面上でしか利用できませんが精密に高度を測定する計測器が用いられていました。
それは次のうち、どれでしょうか?

 1. バロメーター(気圧式)
 2. エコロット(音波式)
 3. 測深索(ワイヤー式)
 4. 反射式(光学式)

[答] 2

[解説]
一般に高度測定にはバロメーターを使っていましたが、これは原理的にアネロイド気圧計で気圧が高いと晴天、低いと天気が悪くなることを応用したもので晴雨計とも呼ばれています。
地上にいるときの高度を0とセットして、高度が上がるに従って気圧が下がるのを応用したものです。高度100メートルでおよそ12ヘクトパスカル(ミリバール)下がります。
フリードリッヒスハーフェンとベルリン・シュターケンでは、高度差がおよそ400mあり、そのため、「グラーフ・ツェッペリン」の場合、揚力におよそ4トンの差を生じます。
フリードリッヒスハーフェンでバロメーターをセットしてあれば、シュターケンでの高度はマイナス400メートルになります。
そのために「グラーフ・ツェッペリン」では秒速340m程度の音波が水面で反射することを応用して往復の時間差から高度を測定する「エコロット(商品名)」が採用されています。
但し、銃(空砲)を発射して測定するので、乗客を乗せているとき夜間には使用していません。
世界一周飛行で霞ヶ浦からロサンゼルスまで乗船した草鹿龍之介海軍少佐によると、太平洋航行中、時々その銃の発射音が聞こえたということです。


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