2008年12月30日

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飛行船四方山話(55): 飛行船の車輪

当初、ゴンドラの下に車輪はついていなかった・・。

[区分] 基本設計・降着装置
[級]  中級

[問題]
いま、遊覧飛行を行っているツェッペリンNT型準硬式飛行船にはゴンドラの下に降着用車輪がついています。戦前のツェッペリン飛行船で最初に降着用車輪を付けたのはどの飛行船でしょう?

 1. LZ10: シュヴァーベン
 2. LZ120:ボーデンゼー
 3. LZ127:グラーフ・ツェッペリン
 4. LZ129:ヒンデンブルク

LZ130gondel.jpg

[答] 4

[解説]
ツェッペリンの硬式飛行船は当初、静止水面での発着を想定していました。
LZ2が漂流したあと、アルゴイのキスレグにうまく軟着陸出来たので陸上の運用が行われるようになりました。
LZ127:グラーフ・ツェッペリンのゴンドラ前底部に半球状の突起は緩衝器(バンパー)です。
着陸の前には慎重にウィエイオフを行って平衡にして(静的浮力をゼロにして)、姿勢は水平に残速(行き足)も完全に止めてから軟着陸していました。
ゴンドラの下に降着用車輪を付けたのはLZ129(ヒンデンブルク)と、同型のLZ130(グラーフ・ツェッペリンⅡ)の設計時です。
これによって僅かの残速があっても容易に着陸できるようになりました。


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