2009年03月06日

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飛行船四方山話(121): レシフェに不時着

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リオからの帰途、ペルナンブコで暴風雨に遭った・・。

[区分] 人物・指令
[難易度]中級

[問題]
「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」は、1935年4月25日 リオからの帰途 暴風雨に遭って、レシフェに不時着し船体を破損しました。このときの指令は誰だったのでしょう?

 1. フーゴー・エッケナー博士
 2. エルンスト・レーマン船長
 3. H.C.フレミング船長
 4. ハンス・フォン・シラー船長

[答] 4

[解説]
その飛行の復航では リオ・デ・ジャネイロから途中無寄港で飛ぶ予定でしたがレシフェに着陸することにしました。
4月25日の早朝、ペルナンブコに到達したが、大雨と強風ですぐに着陸は出来ず待っていたところ密度の高い雨雲に遭遇し、この中を飛び続けました。
雲のなかではそれほど大した事態にはならなかったようです。
ところが高度100mまで降下したとき先程と同じような雲に遭遇し、大丈夫だと思ったのですが吹き飛ばされてしまいました。
数秒の間に「グラーフ・ツェッペリン」は雨に降られたため7トンも重量が増加し、投下可能な5トンのバラストを投棄したのですが間に合わなかったのです。
飛行場の手前数百mで着地し、下部垂直尾翼はもぎ取られ、停止するまで約100mも椰子の木に当たりながら地上を走ったと言います。
止まったときには現地人の小屋の煙突が飛行船の腹に突き刺さり、浮揚ガスの水素か気体燃料のブラウガスに引火しなかったことは奇跡でした。
後部エンジンゴンドラの操機手が小屋に飛び込み、掛けてあったコーヒーポットでストーブの火を消したと伝えられています。
回収した垂直尾翼を船体に括り付けて母港に帰港したのですが、損傷は下部方向舵、垂直安定板だけでなく、縦通材、操縦室床、外板、燃料タンクや配管など広範囲に及んでいたと言います。
このときの指令はエッケナー博士と同郷で、海軍飛行船で数百時間の経験を持つハンス・フォン・シラー船長でした。
乗組員がフリードリッヒスハーフェンに帰投したあとでエッケナー博士はホールに集めドアに閂をかけて、見込みで操船してはいけないときつく訓話を垂れたと言われています。


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