2009年08月28日

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氷川丸の内装(3:一等ラウンジ)

HikawamaruLounge_1.jpg

これはマーク・シモン社の製作した、氷川丸一等ラウンジのカラースキーム(部分)である。

Hikawamaru090203h.jpg

本年2月に撮影した写真である。

マーク・シモン社の完成予想図に較べて詳細デザインは変更されているが天井の明かり取りなどそのまま用いられた部分もある。

これら内装はフランスで製作され、横浜で建造中の本船に取り付けられたが、加工精度は良好で手直しされることもなかったという。

これは内装や装備品の加工精度もさることながら、船体構造や上部構造も設計図通りの寸法で出来上がっていないと実現できない。

戦後、船台工期を短縮するため、ブロック建造法が導入されたが、ブロックを建造するのが内業工程、船台上で組み上げるのが外業工程であった。
その間に取付けとういう工程があり、専業の工員グループが必要であった。
設計図には完成状態を描いたものと、鋼板をガス切断したり、ドリルで穿孔し、あるいは電気溶接など加工のための図面がある。
どこかの工程で精度が悪いと隙間が空いたり相互に干渉し、うまく接合できないのでぴったり調整して本溶接を可能にする工程である。

そのような事情を考えると輸入してドライバ一つで取り付けられると言うのは驚異的なことであった。


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