2009年11月27日

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「ツェッペリン世界周航記」と「エッケナーの夢の乗物」

Friedrichshafen_1.jpg

飛行船「グラーフ・ツェッペリン」の世界周航に乗船したフランクフルター・ツァイトゥンクの特派員マックス・ガイセンヘイナーが下船直後に書いた「グラーフ・ツェッペリンに乗って世界周航」を読み始めた。

目次もなくいきなり始まった記述は8月14日の深夜1時、宿舎にあてられたクアガルテンホテルの部屋の窓から聞こえてくる騒音からはじまる。
そして、深夜小柄な日本人夫妻が庭の砂利を踏んで散歩しているのが2階の窓から見える。
青白縞の和服を着て足袋を穿いて小さな下駄で歩いてくる。・・・

どこかで見た話だと思ったら、ダグラス・ボッティングの「エッケナーの夢の乗物」の書き始めと同じである。
ボッティングは、これにヒントを得ていろいろな人物を登場させている。

この縞の和服を着た日本婦人がフィクションかノンフィクションか判らないが、この「写真集」も読み始めた。

見出しの写真はガイセンヘイナーの著書に載っている当時のフリードリッヒスハーフェンの鳥瞰写真である。
手前の大きな館と教会はフリードリッヒスハーフェンのランドマークであるシュロス・キルヒェである。
左手にドルニエの傑作飛行艇「ヴァル」が飛んでいるのが見え、その向こうにツェッペリン飛行船製造社の建造用格納庫と飛行船発着場が見える。
後にレーヴェンタル工場が建設されたのは写真右上に見える平地で、その向こうにはドルニエ飛行機工場の分工場があった(いま、ツェッペリンNTの発着基地になっているアルマンシュヴァイラー)。
飛行艇「ヴァル」の写っているちょっと下には当時から町の大きな墓地があったが、エッケナー博士やデューア博士、それにカール・マイバッハ博士やドルニエもそこに眠っている。

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