2010年07月19日

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執筆時の誤記・誤謬

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「グラーフ・ツェッペリン」に乗船取材した日本の新聞記者の一人は、帰国後まもなく飛行船を紹介する本を書いているが、体験に基づくものだけに面白い。

そのなかに、アメリカから帰航する「グラーフ・ツェッペリン」を迎えるためにベルリンからフリードリッヒスハーフェンに向かったときのことを書いている。
ルフトハンザに申し込んだが、ベルリンからシュトットガルトまでの席はあるがその先は満席で、目的地には鉄路で行かなければならなかった。

ベルリンから乗り込んだ7人の乗客のなかに夫婦者がいて、最初は楽しそうに窓の外を眺めて喋っていたが、途中から夫人が乗り物酔いになり、遂には床に魚河岸のマグロのように転がって動かなくなったという記述がある。

当時、まだユンカースJu52のような機体はなく、ロールバッハ・ローランドⅠあるいはユンカースG24などが中途着陸しながら運航されていたのであろう。

しかし、明らかに間違った見出しもある。
「グラーフ・ツェッペリン」が世界周航するというのでベルギー国王が視察に来たことを書いた節があるが、その見出しは「スウエデン王の行幸」となっている。

同じような例を見たことがある。
A氏の著書の5章3節には「エッケナーと3人のアメリカ大統領」と見出しがついていた。「グラーフ・ツェッペリン」が初めて訪米するくだりである。
何度読み直してもハーバート・フーバー氏の名前しか出てこない。
A氏は、賠償飛行船「LZ126」をレークハーストまで納入したときに、第30代大統領カルビン・クーリッジに会ったことも、ヘリウム供給についてエッケナー博士がフランクリン・ルーズベルトに会ったことも何かで読んで知っていたからそんな見出しを付けたのだろうがちょっとお粗末である。
この場合は、見出しを付け替えるべきであった。
書きっぱなしの原稿を校正担当に任せるのはやむを得ないが、誤字脱字ではなく記載内容については本人校正の責任であろう。

気をつけねばならない。


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