2010年08月01日

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飛行船四方山話(198):「LZ127」の最長航続時間

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「グラーフ・ツェッペリン」は大飛行記録を沢山作った・・

[区分]航行:記録

[難易度]中級

[問題]
「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」は大西洋横断速度記録など多くの飛行記録をたてていますが、連続航行の最長記録は次のうちのどれでしょうか?

1.119時間55分
2.118時間40分
3.101時間49分
4. 67時間24分

[答]

[解説]
「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」は、航続距離:1万キロメートル、連続運航時間:5日間(120時間)、最大積載能力60トン、旅客収容能力:20名を目標として設計・建造されました。
ログブックに記録されている乗客を乗せた運航では1929年8月に実施された世界周航で、フリードリッヒスハーフェン・霞ヶ浦間の101時間49分が最長記録です。
リオ・デ・ジャネイロとヨーロッパの間では貿易風の影響で、リオ・デ・ジャネイロに向かう往航では平均95時間、復航では平均105時間と10時間程度の差が出ていたようです。
67時間24分という記録は1932年9月にレシフェからフリードリッヒスハーフェンまで飛行した最短時間です。
正解の118時間40分という最長航続時間は、ルフトハンザの飛行艇に代わってブラジルのレシフェとガンビア(アフリカ)のバサーストの間で郵便物を届けていたときの記録です。当時、南米ではインフレなどの影響で政情が不安定でしたが「グラーフ・ツェッペリン」がバサーストから戻っているときにレシフェで暴動が起き、大西洋上で巡航していたのです。燃料は保持していたのですが、乗組員の食料が底をつき、たまたま航行していたハンブルク・アメリカ・ラインの汽船に依頼して、ネットに積み込まれたジャガイモ、保存食などを索で吊り上げて、お礼に新聞などを届けたという逸話が残っています。
ちなみに、このときの指令はエルンスト・レーマン船長でした。

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