2011年02月11日

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佐貫亦男:「飛行船に未来はあるか」

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佐貫亦男という人物が居た。

日本楽器、気象庁を経て大学教授になり、航空宇宙評論家として多くの著書を残している。
そのうちの一冊「発想の航空史」(朝日新聞:1995年刊)のなかに標題の1節がある。
そこで彼は将来の飛行船の動力は原子力と決め込んでいる(50行ばかりのその節のなかで「グラーフ・ツェッペリンⅡ」がディーゼル船であると記しながら将来の飛行船の動力は原子力と2度も書いている)。

将来の飛行船の用途を世界巡航などのクルーズとしている。

「ヒンデンブルク」などの飛行船には船体上面で「星空下の舞踏会」を楽しんでいたと信じており、風呂にも入ることが出来たと思っていたらしい。

彼は「このような飛行船を運航させるには恐らく採算がとれまいから、国家で所有することになる。(中略)こんなとき、どうしても乗りたいと思う強い動機が必要だ。私の船旅の場合は、若いサラリーマンが一等船客となって外務省の局長や陸海軍の佐官たちと食堂で同席したから、感激であった。朝食に初めてグレープフルーツを食べ、一生のうちにまた食卓でと願ったら、これだけは実現した。飛行船の旅がそれだけの感動を発生するなら、努力する価値があろう。(後略)」と書いている。

何だか愉快になった。

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