2011年02月14日

*** 当ブログは2014年5月末に引っ越しました…新しい「紺碧の海」はこちらです ***

旅行に供する公共交通機関

Bremen_Kludas_1.jpg

公共交通機関には鉄道、自動車、航空機、船舶などがある。

しかし、遠距離の旅行に供することの出来るものは多くない。

大洋を越えて旅行することを考えると、筆頭は航洋船舶であろう。
必ずしも客船に限定することはない。以前のような貨物船は少なくなったがコンテナ船や専用船にも旅客を受け入れる場合がある。
但し鉱石専用船や油槽船は鉱石や原油の積出港に行くので、これらに乗せて貰うことは無理である。
しかし、コンテナ船などは良いかもしれない。
船内に娯楽室も食堂も浴室もあり、食事は毎日キャプテンのテーブルになる。
何より、旅行中専用のキャビンがあるので読書や書き物も出来るし、デッキで日光浴をしたり日陰で風を楽しんでもよい。

それに較べると自動車やジェット旅客機では乗ったら座席に座りっぱなしで、せいぜい2時間程度が限度であろう。
長距離列車はその中間で、寝台車や食堂車を連結したものや後端に展望車を引いてるものもある。

両大戦間の飛行艇は、コンパートメントのほかプロムナードやラウンジ、バーなどがあり夕方には寄港地に着水してホテルのダイニングで夕食をとり部屋で湯を浴びて宿泊し、朝食を済ませてから飛行艇に乗り込んでいた。

ヨーロッパと南米・北米に定期運航されていた飛行船は客船に準じる設備があった。
運賃は競合する航洋客船を参考に決められていた。

しかし自動車や飛行機は数時間以上掛かる旅行用とは言えず、移動用でしかないと思う。
35年のあいだに、日本を発着する国際航空旅客数は数倍になってしまった。
ゴム草履の国際航空旅客というのはおかしいと思う。
皆が皆、そんなに急いでどうしようと言うのだろう?

エッケナー博士は「飛行船に乗って飛ぶのではなく、航海するのです。」と言っていたという。
当時の大西洋横断航路の定期旅客船は移民家族の乗る3等でもキャビンのほかにラウンジ、喫煙室、プロムナードなどがあり、食事も旅客運賃に含まれていた。


Comment on "旅行に供する公共交通機関"

"旅行に供する公共交通機関"へのコメントはまだありません。