2011年03月18日

*** 当ブログは2014年5月末に引っ越しました…新しい「紺碧の海」はこちらです ***

飛行船四方山話(215):「ボーデンゼー」の特別席

LZ121Plan_1.jpg

[区分] 設計・客室

[難易度] 初級

[問題]
「LZ120:ボーデンゼー」の客室は左舷側が2対2、右舷側は1対1の向かい合わせに造られていました。しかし、1席だけ右舷前方に個人掛けの席がありました。
この席の乗船券は一般席と較べてどのくらいだったでしょうか?

1. 招待客や株主専用の席で費用負担なし
2. 一般席と同じ
3. 一般席の5割増し
4. 一般席の2倍

[答] 4

[解説]
「LZ120:ボーデンゼー」は第1次大戦後の交通も通信も麻痺した時期に2組の乗務員で毎日フリードリッヒスハーフェンとベルリンの間を航行し、鉄道や道路交通に代わって乗客や郵便物を運びました。
地上では配達できない電報まで積み込んだと言われています。
非常に利用客が多く、便によっては立ち席でも運航されたようです。
このような状況で、是非とも乗船したい事情の客のために個人席は通常運賃の倍額と設定されました。
1919年8月20/21日に試験飛行を行った3日後からフリードリッヒスハーフェンとベルリン郊外シュターケンとの間を殆ど毎日運航されたが12月にヴェルサイユ条約の発効により戦勝国側に引き渡されることになりました。
この短期間にベルリンとの間を38往復し、でミュンヘンに途中寄港したり、北欧航路開拓の計画に伴いストックホルム訪問を実現したりしています。
「ボーデンゼー」はDELAGの乗組員の手でイタリアのチャンピーノまで移送され、イタリア飛行船「エスペリア」になりました。

上掲のアコモデーションプランは同型船「LZ121」のものです。


Comment on "飛行船四方山話(215):「ボーデンゼー」の特別席"

"飛行船四方山話(215):「ボーデンゼー」の特別席"へのコメントはまだありません。