2011年07月26日

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飛行艇用中継船「ヴェストファーレン」

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先日到来した新刊書にも、同時に手配した古本にも載っている切手である。

ルフトハンザがヨーロッパと南米との間の航空郵便を維持するためにドルニエの飛行艇「ヴァル」をガンビア(アフリカ)のバサースト(現:バンジュール)からペルナンブコのレシフェ(ブラジル)まで飛行させたが、航続距離が不足して南大西洋に支援船を配船した。

飛行艇は支援船の傍に着水して、クレーンで吊り上げられ、燃料を補給したあとカタパルトで射出された。

ルフトハンザはこのために「ヴェストファーレン」と「シュヴァーベンラント」をチャーターしたが、船舶は定期点検のために入渠せねばならなかったので、そのときは南米航路に就航していた飛行船「グラーフ・ツェッペリン」に委託してブラジルから郵嚢を投下するために往復航行させた。

この郵便支援業務の最中にブラジルで内乱があり、着陸出来ずに近くを通りかかった定期船にジャガイモやチーズなどの食料品を譲って貰い、「グラーフ・ツェッペリン」は無着陸飛行の記録を作った。

飛行艇による郵送は4発のブローム&フォスHa139に替わっても継続され、航空郵便が第二次大戦のために中断されるまで480回以上実施され、10万通以上の郵便物を運んだ。

新刊の「船切手の世界」は郵趣家が書いたものであり、記載内容が怪しいのはやむを得ぬことながら、掲載されている写真が総じて色調が良くないのは残念なことである。

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