2011年08月12日

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旅とは陸路・海路・空路を問わず生活しながら移動することを言う。

従って陸路であれば寝台列車、海路であれば航洋客船、空路であれば戦前は飛行船や飛行艇で比較的長距離を移動することを意味していた。

自動車でグラン・ツーリスモと言うのがあるが座席に座りっぱなしで旅というのは如何かと思う。

こんなことを言うとすぐに反論を貰いそうである。
「最近は海外旅行は世界中どこへでもジェット機で行くしその場合、座りっぱなしは当たり前である」と。

確かにモーターボートもフェリーも船ではあるがそれだけで目的地に着くのは旅と言えるかどうか疑問である。

旅には生活しながら移動するというイメージがあり、座ったままで2食も3食もあてがわれるのはちょっと違う気がするのである。

南米などでは何日もバスで移動するしかないところもあるようであるが、難行苦行のように思える。
最近では北米でも南米でも長距離の鉄路が計画されていると報じられている。

英国では旅と言えば船旅で "Voyage" で、長い陸路の場合もこの語が用いられる。
ヨーロッパ大陸の中央にあるドイツでは "Reise" という語がこれに相当する。

飛行船や飛行艇が航空運輸に登場した頃は、航洋船舶の一等船客に相当する値段であったので、設備もそれに応じていた。

陸上機により長距離の旅客運送を行う場合は、短距離と長距離では乗客定員数を変え、長距離便の場合、プルマン式寝台を装備していた。

大西洋横断定期飛行船と1〜2時間の遊覧飛行の違いは、航洋客船と島めぐりの連絡船ほどの違いがある。
(連絡船では乗りあった乗客とぶつかりそうになっても挨拶はしないが、客船では乗客同士、あるいは乗務員との社会性が必要とされた。)

「船」、「航空機」と十把一絡げで扱うのは如何かと思う。


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