2013年01月13日

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ネーバルアーキテクチャとなって半世紀

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「ネーバルアーキテクチャ」を海軍建築家と誤訳した人もいたが、Naval Architectureとは造船技師のことである。

造船技師というと作業服に身を固め、安全帽を被りゲートルを巻いて船台上で建造中の船体によじ登ったり、二重底のマンホールにもぐりこんだりする現場の担当技師を想像する向きもあるが、一般配置図を設計したり、船体主要寸法や所要速度から船体抵抗を推定して推進力を決定したり、必要な船体の全体強度/局部強度から外板の板厚や桁の曲げ強度を求め、部材寸法を決定する設計技師も、構造強度や水槽試験を担当する研究技師も含まれる。

ただ、機械工学や材料力学など専門分野に偏ることはできない。
従って、工業高等学校の造船科や工学部の船舶工学科を卒業して造船所に就業しても数年程度では一人前に認めて貰えない。

エンジン屋、電気屋、それに外部艤装や船内艤装など各部門の設計担当者や、現場技師あるいは作業長などと折衝し、まともな新造船を創り上げ、具体化し、国内外の法規を満たし、監督官庁や船主監督の承認を受けなければならないからである。
構造や流体力学などを知っているだけでなく、経験豊かな雇われ監督とやり合わねばならぬこともある。

入社して7〜8年も経って、やっと造船技師になれそうな時期に研究所に移籍し、構造屋からシステムエンジニアになったが、造船所に入社して今年で50年経とうとしている。

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