2013年02月24日

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足跡を辿る

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私はブルーネルやエッケナーなど人類社会に貢献した先人達の実績について、継続して文献調査を行っている。

船舶設計技術者から研究開発者の道を歩んだので、調査対象は造船や航空機に関する人物が多くなる。

未開の地に壮大なインフラストラクチャを構築した人も居るが、建築はともかく土質や土木の調査や施行に関しては門外漢だから、文献を読んでもそうだったのかと思うばかりである。

何れにしても、実務を達成させるには限定された専門分野の知見だけでは何も出来ない。
むしろ、知識よりその事業に対する熱意と考え方が大きいと思う。

デザイン・ポリシーとかフィロソフィーとか言うと大げさになるが、その人物の物の考え方が結果に表れる。

フーゴー・エッケナーは社会経済学者で、ヴントに心理学を学んで博士号を得た。

彼は転地療養先のボーデン湖畔でツェッペリン最初の飛行船の論評を行ったことから伯爵と知り合い、飛行船製造社の経営者アルフレッド・コルスマンの起案したDelag(ドイツ飛行船旅行株式会社)の広報担当として参画した。

彼は若い頃ヨットの経験から「天候を嗅ぎとる」と言われた気象の知識を活用して飛行船船長の資格を取得した。

「LZ129:ヒンデンブルク」はエッケナーの思い描いた夢の乗り物であった。

ツェッペリン飛行船製造社の設計主任はルートヴィヒ・デューアであったが、デューアはエッケナーの理想を具体化したものと思っている。

上掲の写真は、第一次大戦後のヴァイマール共和国の初代大統領エーベルトと談笑するエッケナーである。


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