2013年09月21日

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飛行船製造事業と航空運航事業を軌道に乗せた人物

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硬式飛行船を考案し、製作し、飛揚させたのはツェッペリン伯爵の偉業である。

しかし歴史を繙いてみると、機械装置にしても交通機関にしても発明あるいは開発されたものの世に受け入れられなかったものは枚挙に暇がない。

ツェッペリン飛行船製造社に入社して、イタリアや日本などで300艇を製造され国際航空路に活躍したDoJ「ヴァル」を開発したドルニエが開発した巨大な飛行艇DoXもイタリアに同型艇2艇を輸出したが実際に運航されることはなかった。

硬式飛行船を開発したツェッペリン伯爵も、発注し運航する販売先がなく、試作に終わるところであった。

軍部も、まして民間の運航会社もないなかで、ドイツ国内地方都市に株主になってもらうDelagを設立し、建造と運航の実績を挙げたのがA.コルスマンであった。

のちに飛行船の操縦を修得し飛行船指令として、運航・製造両社の経営者として伯爵の後継者となったH.エッケナーは、コルスマンが地方都市の市長を説得する外交役員として採用した人物であった。

そのコルスマンの「Luftschiff Voraus!(飛行船発進!)」は伯爵が借金を抱えていたころからの話を書き残した名著であるが、ドイツ人でも読める人が少なくなったというフラクタール活字で印刷されているのでちょっと読みにくい。

しかし、彼が新婚旅行先で伯爵と出会い、最初の飛行船建造現場を案内されたところから書き出され、硬式飛行船開発史から飛行機開発にまで及んでいる内容は他書で知り得なかったことが多い。

まだ数ページ読み始めたところであるが引き込まれているところである。


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