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浚渫運転支援システムの開発−その4−(広島に住んで:6)

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浚渫運転支援システム(MIDAS-C)を実稼働工事で評価する機会が与えられた。

北海道、苫小牧東港の建設工事である。
供試船は五洋建設(株)のポンプ浚渫船「駿河」である。
現地に曳航する前に別府湾に在泊する同船の状況を確認し、運転室の寸法を精査し、特設する機器の配置を船主殿の責任者と決めた。

システムに必要な計測機器の取り付け準備も必要であった。

1982(昭和57)年7月15日に現地に到着、機材の積み込みが開始された。
翌日から4日間で機器を設置して検出端なども結線を行い、20日に試験内容の説明、打ち合わせを済ませ、本船は実稼働運転を開始した。

21日〜24日の間に必要なデータ収録、位置確認など準備を行い25日、26日にシステムの総合調整を実施した。
このとき超音波による船位測定装置が不調で2日間立会試験が延期された。
運転室前面にCRTディスプレイを設置し29、30の両日、運転支援システムによる運転が実施された。

その後、台風の接近で工事を一時中止したが、8月8、9日の両日は船主側の役員が視察に来た。三菱側からは横田技師長が対応に出向いた。

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この写真は運転支援装置で運転試験中のスナップである。

画面中央に見えるのは本社の開発部から立会に来てくれた加藤氏である。

現地における実稼働試験のあと、共同でカッタードレッジャ自動化プロジェクトを行っていた五洋建設側から、この装置を購入したいと申し入れがあった。

試験装置のため、フレキシブルディスクベースであったため、この申し入れは辞退せざるを得なかったが、システムの開発としてそれなりの評価を得たものと考えている。

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2012年03月08日 18:40に投稿されたエントリーのページです。

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