2005年10月17日

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(客船のポスター:21) コスリッチのクルーズポスター

Cosulich.jpg

1927年当時、イタリアの大手海運会社は Navigazione Generale Italiana(NGI)、Cosulich 、 Lloyd Sabaudo 、Societa Maritteme Italiana 、Transatlantica Italiana があり、それぞれ32隻、21隻、12隻、7隻、8隻の外航船を運航していた。

ドイツのスーパーライナー「ブレーメン」「オイローパ」に対抗してNGIが5万1千総トンの「グリエルモ・マルコーニ」を、ロイド・サバウドが4万9千総トンの「コンテ・ディ・サボイア」を起工した。

NGIの「グリエルモ・マルコーニ」となるはずであった船は1931年の進水式でイタリア皇帝によって「レックス」と命名された。

政府の多額の補助金で運営されていたNGIとロイド・サバウドは両船の建造中に合併し、イタリアンラインとなった。

このときに、コスリッチも併せて3社が合併したとされている。

ところが、この1935年夏季クルーズのポスターには「コスリッチ」と明記されている。

William H. Miller, Jr.氏の著書「Pictorial Encyclopedia of Ocean Liners,1860-1994」には1932年に竣工した「ネプチュニア」(19475総トン)も、「オセアニア」(19507総トン)も、イタリアン・ラインではなくコスリッチに引き渡され、1937年にイタリア・ラインに移籍されたと記載されている。

建造後しばらくはコスリッチで運行され、1937年にイタリアン・ラインに併合されたのではないだろうか?

このブログをはじめて、調べてゆくうちにこの当時のパッセンジャー・ライナーに関する謎に幾つか出会した。
疑問に思っていたことが判ることは喜びである。
またそのような謎や疑問に遭遇することも楽しみである。
だから調査・研究はやめられない。

写真の絵葉書は何処で入手したか失念したが、注記によると「グロースターの広告・包装博物館のロバート・オーピー・コレクションのオリジナルから複写された」とある。

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