2006年01月21日

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久女忌

箱根丸.jpg

今日1月21日は俳人 杉田久女 の忌日である。

雑誌「世界の艦船」の昨年5月号(通巻642号)・6月号(同643号)に藤田 章生氏の『私的追想「箱根丸事件」』が掲載された。

ホトトギス派の天才的女流俳人であった杉田久女の話である。

昭和11年2月に、フランスに外遊に旅立つホトトギス派の総帥と仰がれていた高浜虚子の乗った箱根丸が門司に寄港したときのことである。

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小倉で白菊会という俳句婦人の会を主宰していた久女は、ランチで箱根丸に乗り込み花束を抱えて虚子の船室に向かい、懸命に声を上げ人を掻き分けて前進したものの大勢の訪問者に妨げられて花束も歓迎の一句も届けることが出来なかった。

虚子の帰国後「ホトトギス」に3人の著名な俳人の同人変更(除名)が掲載された。
久女に関する限りまったく予想外の出来事であったという。

この除名公告ののち、久女の句作は下降線をたどり健康も損なわれていった。
そして昭和21(1946)年のこの日に亡くなったのである。

久女が亡くなったあと、虚子は追悼文を書き久女をモデルにした自己弁明的な創作も発表したと藤井氏は述べている。


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