2006年12月30日

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(飛行船:201) ツェッペリンアルバム(写真:第81回) 写真103 −出発前の風向・風力測定−

Bild103.jpg

[103枚目:出発に先立って実施された風向・風力測定]

このアルバムもこの写真から第6部、「LZ-127の飛行関連業務」に入る。

最初の写真は「グラーフ・ツェッペリン」の飛行前に実施した風向・風力測定の様子である。

我々はこの写真を見てラジオゾンデを想像するが、これは放たれたゴム風船を地上から経緯儀という光学計器で追跡して上空の風向・風速を観測する観測風景である。

1分から3分程度、地上から風船を観測し、三角関数で高さと移動速度を算出する。

マルコーニが最初の無線通信実験を行ったのはツェッペリン伯爵が硬式飛行船の設計を完了した後の1896年であり、その2年後に陸上と航行中船舶との交信実験を行い、めざましい発展を遂げていたが、1912年のタイタニックの遭難は乗客の電報処理に忙殺されていた通信士が氷山警報の無線を無視したために起こったという説もある。

1920年代には無線を利用したラジオゾンデはまだ開発されていなかったのである。

現在、日本では気象台・測候所・航空自衛隊・陸上自衛隊・大学・日本気象協会など全国18箇所で利用されており、気象台、測候所では通常1日2回使用されている。

飛行船の飛行には気温の高度分布の取得が望ましいので当時ラジオゾンデが使えたら非常に有効であったと思われる。

10万立方m以上の体積が比重の差で空中に浮かんでいるので、気温変動による空気の比重を感じて浮揚ガスを放出したりバラスト水を投棄するなどの調整をしながら飛んでいたのである。

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