2007年02月06日

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(飛行船:235) ツェッペリンアルバム(写真:第114回) 写真184 −ブライトン−

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[184枚目:ブライトン]

ブライトンもイーストボーンに近い著名な保養地である。

ロンドンからも交通の便が良いので、国際的な学会やコンファレンスなどもよく開催される。

夏なのでビーチで日光浴をしている人が胡麻のように見える。

イーストボーンと同じように遠浅の海に突き出したピアにレジャー施設が設けられている。

これらの写真を見ていると飛行船は高度も速度も遊覧飛行に最適だということが判る。

ドイツの著名な文筆家、ヘルマン・ヘッセは1910年代のはじめに飛行船と飛行機に乗って短文を作品に書き残している。

飛行機の体験飛行では1913年3月に、オスカー・ビーダーの操縦するブリレオ単葉機(70馬力ロータリーエンジン付き)にスキー帽、手袋、毛糸のマフラー、マント、ゴーグルに身を固めて乗り込んだのである。
帽子は庇を後ろ向きにして、あごひもをかけないと吹き飛ばされてしまう。
『褐色のブーツを穿いた大男が、指ほどの厚みの木の手すりの上に足をかけても、壊れはしなかった。』という華奢な飛行機で、ヘッセの友人達も、一家の父親がわざわざ首の骨を折りに行くようなものだと諫めたが彼は思いとどまらなかったという。
(O.ビーダーはその6年後、アクロバット飛行中に墜落して亡くなった)

飛行船はその2年前、招待されて完成したばかりの「LZ-10:シュヴァーベン」にフリードリッヒスハーフェンで乗船している。
乗客用ゴンドラの窓は枠だけの吹きさらしであった。
ヘッセは『快適な木の階段を昇って船内に入るわけだが、不思議となんの違和感もなかった。不安もなかった。飛行船のなかに入り、エレガントなゴンドラのなかの籐製の座席に至極あたりまえに、ゆったりと腰をおろした。まるで快適な食堂車か展望車にいるみたいだった。・・・・ドイツ人は気分が高揚すると、シャンパンを飲むものだが、飛行船のなかでもシャンパンを飲むことができた。まったく至れり尽くせりのサービスだった。・・・・このおまけだけは、飛行船のなかでは唯一ナンセンスで必要のないもののように思えた。』と述べている。

飛行船に最も適した平時の用途は、当時も現在も遊覧飛行であると考えるのが妥当であろう。

我が国での遊覧飛行の認可には時間が掛かりそうで、ドイツのツェッペリンNT型「Bodensee:D−LZZR」を購入した「Yokoso Japan:JA101Z」は現在、専ら宣伝飛行で運用されている。


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