2007年07月13日

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(飛行船:386) エッケナー博士とツェッペリン飛行船(41)

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(砂漠の移動砂丘)

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 エジプトへのセンチュメンタル・ジャーニー(3)

友人の若い潜水艦長に、新造艦の着任式に招待されたことがあった。

私は会食の席で乗組員になにか一言述べることになり、次のように話した。

「ご承知のように、いつもは空を飛んでいるが、時には飛行船のゴンドラに乗って海面上を行くことがある。
しかし、私が諸君と同じように海面下を飛行したことはここで初めてお話しすることである。
私は自分たちの船で記録を、それは諸君のUボートと同じではない。
一度機会があって、飛行船で海面下300mを飛んだのである。」

若いUボート乗組員は、大いに驚き、信じられないという反応を示したが、事の次第を説明すると大笑いとなった。

谷間でしばらく留まったあと、ゆっくり元の位置まで上昇し西側に聳える垂直な割れ間の上を低く飛び、エルサレムの高台に向かった

その間、満月は高く昇り淡い光を山の裂け目や岩だらけの地表に注ぎ、複雑で混迷した迷路のような裂け目と、盗賊の隠れ家のような佇まいを見せていた。

エルサレムに立ち寄って別れの挨拶をし「次はどうしよう?」と思った。

エジプトのピラミッドは我々の南、このまま行けば僅か3時間のところにあった。
そこを訪れることは、この旅のハイライトであった。

しかし、外務省はエジプトの上空を飛ぶことを許可しなかった!

ただ、ファラオの国の海岸線に沿って飛ぶことは禁止されていなかった。

ギリシャに到着するのは翌朝の早い時間ではなく、日光の降り注ぐ明るい時間にしたかったので時間は充分にあり、そうすることに決めた。

従ってエルサレムからは南に舵をとって出発した

明るい満月に照らされて、眼下にはむかしピラミッドの国と交流のあった広いキャラバンルートが延びていた。

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[註]貼付写真
この時は夜間飛行であったので、写真は今回も1931年の再訪時撮影されたものの中から選んだ。

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