2007年07月15日

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(飛行船:388) エッケナー博士とツェッペリン飛行船(43)

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(フリードリッヒスハーフェンに着陸するグラーフ・ツェッペリン)

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 エジプトへのセンチメンタル・ジャーニー(5)

イタカ島、この飛行船から一目で見渡せる小さな島はコバルトブルーの海に奇跡のように銀色がかった白亜に輝いていた

この詩的な島をちょっと眺めてからアドリア海沿岸に沿って飛んだ。

美しいコルフ島と、そのほかの絵のような島々を眺め、ドブロブニクやシベニクなどの古風な小さな町を見下ろした。

この沿岸で出会ったそのほかの場所も、それぞれに歴史を感じさせてくれた。

このアドリア飛行の最北点スパラトに着いたときは日は既に暮れていた。

真面目な政府役員に構成された調査団に体験して貰った、明るく太陽の輝く3日間の歴史的探訪飛行は、実質的に終了した。

あとは飛行能力とツェッペリンの耐航性の評価試験が残っていた。

天気予報に寄れば、アルプス北側の天候はまだ荒れていてこの厳しい冬の名残は終わりが見えなかった。

言わば、アルプスの巨大な蹄に囚われたようなもので、もしフリードリッヒスハーフェンに無事に帰投すれば、それに打ち勝ったことになる。

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[註1]:イタカ島・コルフ島
イタカ島はイタキ島とも呼ばれ、コルフ島はケルキラ島とも呼ばれる。
いずれもギリシャのイオニア諸島の島である。

[註2]:ドブロブニク、シベニク、スパラト
ドブロブニクはラグーザとも呼ばれ、スパラトはスプリットとも呼ばれる。シベニクとともにアドリア海沿岸の古い港町である。

[註3]写真
挿絵の写真は絵葉書コレクションの1葉で、フリードリッヒスハーフェンのツェッペリン博物館で求めたものである。

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