2008年07月16日

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監修の責任

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古書が一冊届いた。

昭和56年に小学館から出版された「航空機、両大戦の間:万有ガイド・シリーズ3」である。

航空機は「第一次大戦まで」、「両大戦の間」、「第二次大戦Ⅰ」、「第二次大戦Ⅱ」の4部からなるシリーズの一冊である。

オリジナルは1976年にヨーロッパで刊行されたもので、エンツィオ・アンジェルッチ、パオロ・マトリカルディ著となっている。
おそらく、どちらかが記事を書き、もう1人が絵を描いたのであろう。
実にきれいな絵である。

世界各国の飛行機(主として民間航空機)160機以上をカラーイラストと三面図で図示して解説しており、飛行船についてはイギリスの「R34」、イタリアの「N1:ノルゲ」、「N4:イタリア」、ドイツの「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」、「LZ129:ヒンデンブルク」の5隻が掲載されている。

面白いのは「(前略)5基のマイバッハ・エンジンには、青いガスとよばれる気体状の燃料が供給された。この飛行船の容積の1/3には青いガスが、そして残りの部分には水素が満たされていた。(後略)」と、丁寧に2度もブラウガスを青いガスと紹介しているところである。

見返しには翻訳者は石川好美と紹介されているが、その上に日本語版監修:日本大学名誉教授木村秀政とある。

この誤訳は翻訳者のせいではない。

このようなチェックが必要なので自他共に航空技術の権威と認める木村秀政の名前があるのであろう。


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