2008年08月22日

*** 当ブログは2014年5月末に引っ越しました…新しい「紺碧の海」はこちらです ***

Brooks著「Zeppelin: Rigid Airships 1893-1940」

Brooks.jpg

昨日 また貴重な資料が届いた。

Peter W Brooks の "Zeppelin: Rigid Airships 1893-1940" である。

1992年にスミソニアンの出版部から発行されている。

書名から見ると LZ-1 から LZ-130 まで、ツェッペリン飛行船製造で建造された飛行船が対象のようであるが、シュヴァルツの1号、2号からツェッペリンはもとより、シュッテ・ランツのシリーズ、フランスの SPIESS シリーズ、イギリスの R シリーズ、アメリカの GOODYEAR-ZEPPELIN の硬式飛行船まで、ツェッペリン伯爵の飛行船列車のアイデアに始まる系譜に従って、データや図表を駆使した、言わば『硬式飛行船エンサイクロペディア』のような凄いハードカバーである。

どのくらい凄いかというと、各形式飛行船の線画による側面図、初期ツェッペリンの尾翼の変遷を側面・正面からたどっていたり、百隻以上の硬式飛行船について判明する限り初飛行・最終飛行だけでなく各船の飛行回数も掲載されている。

そのほかでは、あの湖岸の街フリードリッヒスハーフェンの略地図を載せ マンツェル、ツェッペリン飛行船製造の主工場、レーヴェンタール工場、マイバッハエンジン工場なども図示されている。

ツェッペリン、シュッテ・ランツの各飛行船がどの工場でいつ建造されたか迄示されており、シュッテ・ランツ飛行船がアメリカに売り込みを図っていた「アトランティック」が SL25 らしいということ判った。
謎の LZ125 を調べる手掛かりもつかめるかも知れない。

ただし、取りあげられているのは硬式飛行船のみで、ウンベルト・ノビレの「ノルゲ」や「イタリア」などの半硬式飛行船は含まれていない。

また、調査の楽しみが増えたことを喜んでいる。


Comment on "Brooks著「Zeppelin: Rigid Airships 1893-1940」"

"Brooks著「Zeppelin: Rigid Airships 1893-1940」"へのコメントはまだありません。