2008年11月21日

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飛行船四方山話(16):繋留方式

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今回は繋留方式

[区分] 運航・繋留
[級]  初級

[問題]
飛行船を繋留する方式を大別すると、繋留柱を用いる方式と、格納庫に収容する方式があります。
繋留柱(マスト)には飛行船を空中で繋留するハイマスト方式と、船体下面が地表に接するスタブマスト方式がありました。
ドイツでは主にどの方式が使われていたでしょうか。
次の中から選んでください。

 1.ハイマスト方式
 2.スタブマスト方式
 3.格納庫に繋留
 4.索繋留

[答] 3

[解説]
最初に建造された硬式飛行船、LZ1はマンツェル沖のボーデン湖に浮かぶ水上格納庫に収納され、浮揚時には艀の上に引き出されていました。
飛行船は風圧側面積が大きいため、振り回されるので定繋地には格納庫が設けられました。第一次大戦の前にはバーデン・オース、デュッセルドルフ、フランクフルト、ハンブルク、ベルリン、ケルンなどに格納庫が作られましたが、大戦が始まる頃には各地に数十の軍用格納庫が作られ、前線用に現地で組み立てる格納庫まで作られています。
イギリスではハイマスト方式がよく使われていて、カーディントンの繋留塔が有名です。アメリカでは、マスト繋留でもゴンドラが地表に接する程度の低いスタブマストを開発して使用していました(ヒンデンブルクが炎上した事故はスタブマストに繋留する直前に起きました)。
ドイツでは殆ど格納庫に収容していたのは、マスト係留中に風に当たると飛行船船首のノーズコーンに力が加わるので構造を保護するためでした。
後期には格納庫が風向によって向きを変えることの出来る回転式格納庫も建設されていました。
グラーフ・ツェッペリンが南米定期飛行を始めたときは中継点であるスペインのセヴィリア、ペルナンブコのレシフェに繋留マストを設置しましたが、のちにリオ・デ・ジャネイロのサンタクルズに格納庫を建設しています。

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写真はレークハーストに繋留されたLZ127

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