2008年11月24日

*** 当ブログは2014年5月末に引っ越しました…新しい「紺碧の海」はこちらです ***

飛行船四方山話(19):十字尾翼

LZ6_1.jpg

再び初級・・・

[区分] 基本設計・尾翼形状
[級]  初級

[問題]
ツェッペリン飛行船は当初、様々な形態で試行錯誤を繰り返していました。
最初に十字型尾翼を採用したのはどの飛行船でしょうか。


 1.LZ2
 2.LZ10
 3.LZ18
 4.LZ25

[答] 4

[解説]
ツェッペリン伯爵は最初の飛行船、LZ1で飛行船のはるか下に索で錘を吊っておき、索を巻き取ったり延ばしたりすることで全体の重心を移動させて姿勢を制御しようと考えました。
しかし、うまく行かなかったので船尾や船首に様々な鰭をつけて、直進時の方向安定性と旋回時の操縦性を追求しました。
ピーター・ブルックスの著書「ツェッペリン:硬式飛行船」では付録の最初に、LZ2/3(タイプb)からLZ25(タイプm2)まで9葉の図で尾翼の変遷を解説しています。

「LZ4」がエヒターディンゲンで不時着したあと炎上したことをきっかけに造船学の権威であったダンチヒ工科大学のヨハン・シュッテ教授が飛行船を設計し、ツェッペリン博士に提案しましたが伯爵はそれを採用しませんでした。
それでシュッテ教授は農機具メーカーのランツ博士とシュッテ・ランツ飛行船製造社を設立し、シュッテ・ランツ(SL)型飛行船を開発しました。
SL型飛行船は流体力学的に洗練された流線型の船体と十字尾翼を備えていました。
ツェッペリン飛行船が十字尾翼を採用したのは1914年に完成したLZ25からのことです。

写真はLZ6の尾翼


Comment on "飛行船四方山話(19):十字尾翼"

"飛行船四方山話(19):十字尾翼"へのコメントはまだありません。