2008年12月06日

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飛行船四方山話(31): 2度目の訪米飛行

DepartuteLZ127.jpg

グラーフ・ツェッペリンの2度目の訪米飛行

[区分] 運航・訪米飛行
[級]  中級

[問題]
1928年に完成した「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」は同年10月に最初の訪米飛行を行っています。そして翌年の夏に有名な世界一周飛行を行っていますが、その前に最初の中東飛行やスペイン飛行を行ったあと5月に2度目の訪米飛行に飛び立ちました。その飛行の結末はどうなったのでしょうか?

 1. トラブルのため行程の大幅遅延
 2. スペイン沖から出発地へ帰還
 3. フランスへ緊急不時着
 4. 予定通りの行程で完了

[答] 3

[解説]
1928年7月のツェッペリン伯爵生誕記念日に「グラーフ・ツェッペリン」と命名されたLZ127は、9月にドイツ国内から北海に順調な初飛行を行い、同年10月に最初の訪米飛行を行い世界の耳目を集めました。
翌年は3月に凍り付いたドイツを出発して最初の中東飛行を行い、4月にはイベリア半島を周回するスペイン飛行を行い、5月に再度訪米飛行のためにフリードリッヒスハーフェンを離陸しました。
ラインの滝からバーゼルを経てローヌ渓谷を地中海に出るまでは順調に飛行していたのですが、スペインの地中海岸上空を航行中に第1エンジンにトラブルが発生し、間もなく第2エンジンも停止したのでエッケナー博士は引き返すことを決断しました。
激しい北風ミストラルを正面にうけてローヌ渓谷を戻っていたとき、第3エンジンも停止し、次いで第4エンジンまで止まってしまいました。
最後に残った第5エンジンだけで母港に帰港することは出来ないと判断したのでフランス政府に無線で連絡してパリとツーロン近くのクール・ピエールフーにある格納庫を使用する許可をとり、クール・ピエールフーに危機一髪で緊急着陸しました。
特別列車で4基の新しいエンジンが届けられ、エンジンを換装して何とかフリードリッヒスハーフェンに帰還することが出来ました。
調査の結果、エンジンとプロペラの間のカップリングが疲労破壊していたことが原因と判明しました。
それから2ヶ月後に試験飛行が始まり、8月1日に世界周航の基点となるレークハーストに向けて3度目の出発をしています。

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