2009年01月05日

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飛行船四方山話(61): グラーフ・ツェッペリンの運航実績(1)

LZ127PC009.jpg

「グラーフ・ツェッペリン」の実績データは記録ずくめ・・。

[区分] 運航・実績
[級]  初級

[問題]
「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」の飛行のうちでも最も有名なものは世界一周飛行ですが、レークハーストからレークハーストまでの「アメリカの世界一周」と、フリードリッヒスハーフェンからフリードリッヒスハーフェンまでの「ドイツの世界一周」の結果は次のうちのどれが該当するでしょうか?

 1. 飛行距離が同一なので所要時間もほぼ同じ。
 2. 「アメリカの世界一周」の方が速く、所要時間は10時間以上短かった。
 3. 「ドイツの世界一周」の方が数時間速くまわった。
 4. コースが違うので比較できない。

[答] 2

[解説]
エッケナー博士が選んだコースはシベリアを通り、北よりの地点では北緯64度以北を飛び、アヤンでオホーツク海に出て、間宮海峡を南下するものでした。
飛行距離は、フリードリッヒスハーフェンから東京(霞ヶ浦)まで11247km、そこから太平洋を渡りサンフランシスコ経由でロサンゼルスまで9653km、ロサンゼルスからレークハーストまで4822km、レークハーストからフリードリッヒスハーフェンまでは8478kmですから、4区間あわせて30020kmになります。
それぞれの区間の飛行時間はフリードリッヒスハーフェン・霞ヶ浦間が101時間49分、霞ヶ浦・ロサンゼルス間が79時間3分、ロサンゼルス・レークハースト間は51時間57分でした。
問題になるレークハースト・フリードリッヒスハーフェン間は、8月10日に出発したときは偏西風に乗って55時間19分で飛んでいます。9月1日からの周航最後の区間では67時間31分を要しました。
このため「ドイツの世界一周」は300時間20分(12日12時間20分)となりましたが「アメリカの世界一周」は、それより12時間12分短い12日8分となりました。なお、この8月10日に出発した復航は「グラーフ・ツェッペリン」の欧米連絡最短記録になっています。

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