2009年03月27日

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飛行船四方山話(139): 初めてゴールドビーターズスキンを使った飛行船

日本語の世界では牛の盲腸と誤って伝わっているが・・。

[区分] 一般・歴史
[難易度]上級

[問題]
硬式飛行船のガス嚢にゴールドビーターズスキンが初めて使われた飛行船は次のうちのどれでしょうか?

 1. LZ1
 2. LZ4
 3. LZ6
 4. LZ7

LZ7_1.jpg

[答] 4

[解説]
日本で出版されている多くの本や雑誌では硬式飛行船のガス嚢の素材ははゴールドビーターズスキンと紹介されています。
そこまでは良いとしても、必ずと言って良いほど「牛の盲腸」と注釈がついているのは不可解です。
飛行船一隻分、いやガス嚢1つを作るのに何十万頭もの牛の盲腸が要ることになります。実は私も詳しくは知らないのですが牛の大腸をなめしたもののようです。
ゴールドビーターズスキンという名は、我が国では昔から金箔を作るときに、上質の和紙と金箔を交互に重ねて木槌で叩いて延ばしたようにヨーロッパでは金箔師が牛の腸を使っていたところから来ています。
ドイツ語でもゴールドシュレーガーハウトと言います。
「LZ1」以降、絹の布にゴム引きしていたものを何とかもっと軽くとこれが採用された様です。
ツェッペリンでは「LZ7」で初めて用いられ、以降各国とも軽くて気密性の良いゴールドビーターズスキンを使っていました。
「LZ7」ではこれを何層かにしてガス嚢に用いられました。
その後、飛行船のガス嚢には長くゴールドビーターズスキンが用いられていましたが、硬式飛行船の黄金期には化繊に置き換えられていました。


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