2009年07月07日

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クルダスの著書「北ドイツロイドの船舶」

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5月に発注しておいたアーノルド・クルダスの著書「北ドイツロイドの船舶(1857〜1919年」が届いた。

内表紙には「第1巻」とあり、カバーにも1920〜1970年までを対象として第2巻が紹介されているが、第2巻は結局発行されずに終わったらしい。

1919年といえば第一次大戦終戦の翌年である。
NDLの客船カイザー・ヴィルヘルム・デア・グロッセは開戦直後に 10.5サンチ砲6門、3.7サンチ速射砲2門を搭載して仮装巡洋艦として連合国側の商船3隻を撃沈、客船2隻を臨検するなどの戦果を上げたが洋上で石炭補給中にイギリス巡洋艦の急襲を受け、交戦するも撃沈されてしまった。
1917年にアメリカが参戦すると、ニューヨークに在泊していたNDLの商船は接収され、クロンプリンツ・ヴィルヘルムはフォン・スチューベンに、クロンプリンツェシン・セシリーはマウント・ヴァーノンに、カイザー・ヴィルヘルムⅡはアガメンノンと改名され、アメリカ将兵をヨーロッパに運んだ。

一時は世界第2位であったドイツ商船隊には沿岸航路の小船しか残っていなかった。

しかし幸いなことに、1921年にイギリスはダンチヒ造船所で建造中であった商船の工事を続行して完成させることを認めてくれた。
これが、後にブレーメン、オイローパと組んでニューヨーク航路に就航するコルンブスであった。

この本の終章にはこのコルンブスと、同じく戦前に起工され進水後工事が中断されていた汽船ツェッペリン(完成後イギリスに引き渡されてオルムズとなる)が掲載されている。
表紙に描かれているのはカーザー・ヴィルヘルムⅡである。
(カイザー・ヴィルヘルム2世は開戦時のドイツ皇帝であったが1918年11月9日、ときの宰相に退位を迫られ退位宣言に署名しオランダに亡命した。その直後の11月11日にドイツはコンピエーヌで休戦協定に署名し、第一次大戦は終わった。)

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