2010年02月02日

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郵便機のカタパルト発進

Bremen_Partialprofile.jpg

北ドイツロイドのスーパーライナーが世間を驚かせたのはそれだけではなかった。

目的港に向かって大西洋を航行中に最上甲板に設置されたカタパルトから郵便機を射出したのである。

先に完成した「ブレーメン」にはハインケルの開発したK2型が、翌年就航した「オイローパ」には改良されたK3型のカタパルトが設置されていた。

最上層デッキは展望レストランの上にあたるが、ここは一等船客の遊歩甲板になっており、一等船客は郵便物と急ぎの乗客を乗せて発進する水上機のすぐ傍でこれを見学することが出来た。

大西洋を跨ぐエアメールが実現する前のことである。

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最初に採用された郵便機はハインケルHe12型水上機であった。
ニューヨークへの処女航海ではルフトハンザのヨブスト・フォン・シュトルデニッツが操縦し、本船が入港する18時間前射出され、1時間半の飛行でブルックリン埠頭に着水した。

復航でもブレーマーハーフェンに入港する24時間前にイギリス海峡で発進し、ヴェザー川に着水し、郵便物はルフトハンザ機でベルリンに届けられた。

1932年には大型水上機ユンカースJu46が完成し、「ブレーメン」と「オイローパ」に搭載され、それぞれ母船と同じ機名で呼ばれていた。

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これは「オイローパ」から発進されるD2244「オイローパ」である。

郵嚢とともに乗客6名を乗せることが出来た。

この郵便機は飛行艇「ヴァル」が運航されるようになっていた1935年まで運航され、両船合計で198回飛行したと言われている。

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