2010年02月03日

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客船「ブレーメン」のヴィンターガルテン

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ヨーロッパ人にとってウィンターガーデン、あるいはヴィンターガルテンという名は特別な意味があるものらしい。

イングランド北西部、アイリッシュ海に面した保養地ブラックプールのウィンターガーデンは世界最高峰のダンスフェスティバル、全英選手権大会の会場として有名である。
ベルリン随一のヴァリエテであったヴィンターガルテンもよく知られており、2002年には宝塚歌劇の公演も行われた。

北ドイツロイドの定期船「ブレーメン」にはプロムナードデッキが2層あるが、メインプロムナードデッキの前端は同船の外観上の特徴の一つである曲面で被われた上部構造となっていた。

そこは広々とした木甲板で、観葉植物の鉢のあいだにゆったりとテーブルが配置されていた。
そこが「ブレーメン」の展望ラウンジ、ヴィンターガルテンであった。

メインプロムナードデッキの大部分と、アッパープロムナードデッキ、それにその上のサンデッキは1等船客用の遊歩甲板になっていた。

さらにその上には郵便機用のカタパルトが設置されているスポーツデッキで、ここも1等船客に解放されていた。

Bremen_Rauchensalon_1Klasse_1.jpg

壁は象嵌や壁画で仕上げられた落ち着いたスペースであった。

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北大西洋の冬場は荒れるので、プロムナードデッキはエンクローズド型となっていた。

メインプロムナードデッキの後部、Aデッキとサンデッキの後端は2等のプロムナードデッキ、Aデッキ、Bデッキの後部がツーリストクラス、前部が3等クラスのプロムナードデッキで、Cデッキの後部には非番の乗組員用プロムナードも用意されていた。

もちろん、2等、ツーリストクラス、3等船客用の喫煙室もある。
2等喫煙室はAデッキ後端、3等喫煙室はBデッキ前端で、何れも外洋を望む明るいスペースであった。

女性船客が談話する婦人室も各クラスに用意されていた。

最近発行された書籍には、「ブレーメン」や「レックス」などが4千人以上の移民を載せたと書かれているものがあるが、当時すでに移民の時代は終わっていたのである。
(「ブレーメン」の乗客定員は、1等:811名、2等:500名、ツーリストクラス:300名、3等:617名、合計で2228名である。3等船室も2〜4人で共用ながらバスもシャワーも用意されていた。)

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