2010年06月26日

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飛行船四方山話(172):「ヒンデンブルク」の乗客用キャビン

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「ヒンデンブルク」は本格的な旅客用飛行船であった・・。

[区分] 施設:乗客用キャビン

[難易度]中級

[問題]
「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」の乗客用キャビンはツインルームが10室で、すべてのキャビンに広い窓が付いていました。
その運航実績を考慮して建造された本格的旅客用飛行船「LZ129:ヒンデンブルク」のキャビンに窓はあったでしょうか?

1.広いプロムナードを設けたため乗客用キャビンはすべてインサイドで窓なし
2.新造時から一部窓付きのキャビンがあった
3.建造翌年に改造されたとき窓付きのキャビンが増設された
4.改造されたときに既存のキャビンに窓を設けた

[答]3

[解説]
1936年に完成した「LZ129:ヒンデンブルク」は船体内部にAデッキ、Bデッキを作り、Aデッキには中心線側に乗客用キャビン、舷側側に広いプロムナード、その内側は右舷側に書見室とラウンジ、左舷側に広いダイニングを設けました。
Bデッキの右舷側には乗客用トイレ、バー、喫煙室があり、左舷側は乗組員用のトイレ、シャワールーム、着替室、キッチンと士官用メスルーム、乗組員用メスルームがありました。
従って新造時の乗客用ツインキャビン25室はすべてインサイドで窓はありません。
1936年の運航シーズンが終わって、Bデッキ右舷側後方に20人分の乗客用キャビンとスチュワードのキャビンを増設しました。
この増設用キャビンにはすべて窓があり、一番奥のキャビンは4人部屋でした。
ちなみに、「LZ129」の同型船として建造中であった「LZ130:グラーフ・ツェッペリン(Ⅱ)」はアメリカがヘリウムを輸出する特例法を成立されたため、本来のヘリウム船に改造されたため、アレンジメントが変更され、40人分のキャビンの一部は外側に設けられ、窓付きの特別室となりました。
しかし、結局ヘリウムの輸出は認められず「LZ130」は乗客を乗せて運航されることはありませんでした。
この「LZ129」型はもともとヘリウム船として計画されたにもかかわらず皮肉な結末を迎えました。


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