2010年07月14日

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飛行船四方山話(187):飛行船の雨

LZ127_Recife_1.jpg

大気温の変動で浮力は大きく変わり、離陸できないこともあった・・

[区分] 運航:雨中航行

[難易度]上級

[問題]
ガス容量、約10万5千立法メートルの「グラーフ・ツェッペリン」は大気圧が水銀柱760mmのとき、気温変化5℃につき1立方メートルに付き0.02〜0.023kg変わるので2トン以上浮力が変動します。
それでは同船が雨のなかを航行して濡れると船体重量はどの程度増加するでしょうか?

1.2〜3トン
2.4〜6トン
3.6〜10トン
4.8〜15トン

[答]

[解説]
硬式飛行船は表被面積が非常に大きいので航行中に雨で濡れると重くなりました。
「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」の場合、その量は6〜10トンになったと言われています。
同船は1931年から1937年まで63往復も南米定期航路を飛行して3千人以上の乗客と20トン近くの郵便物を運んでいます。
しかし、1936年にリオ・デ・ジャネイロの郊外サンタクルクに格納庫が建設されるまで、ペルナンブコのレシフェにマスト繋留していたので、繋留したまま2日間も熱帯雨に曝すことは出来ないので、雨期には南米定期運航を行わず、ヨーロッパで遊覧飛行や都市間飛行をやっていました。
「グラーフ・ツェッペリン」はヨーロッパが雪解けの春から晩秋(11月、12月初旬)まで南米定期便に従事し、冬場はフリードリッヒスハーフェンの格納庫で船体や機関の点検・整備に充てていました。


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