2010年07月13日

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飛行船四方山話(186):「ヒンデンブルク」の担当技師

LZ1290Frame_1.jpg

飛行船建造にも造船のように担当技師がいた・・

[区分]人物:建造

[難易度]中級

[問題]
造船所で新造船を建造するとき、構造・性能・艤装・機関・電気など設計各部門、それに船台上の工事や岸壁での艤装、さらに営業・資材・購入・検査など様々な部門にまたがる協議や調整が必要になります。
従って、その船の起工から試運転を完了して引き渡しを終えるまで、その船の建造に責任を持つ技術者が必要になります。これを(番船)担当技師と言います。
(ちなみに「戦艦武蔵(三菱長崎:第800番船)」の担当技師はのちに社長になった古賀繁一技師でした。)
飛行船の建造も同様ですが、「LZ129(完成後『ヒンデンブルク』と命名)」の担当技師は誰でしょうか?

1.フーゴー・エッケナー博士
2.ルートヴィヒ・デューア博士
3.アルフレート・コルスマン博士
4.クヌート・エッケナー技師

[答]

[解説]
「LZ129」を建造するときの担当技師は、ツェッペリン飛行船製造社を経営していたフーゴー・エッケナー博士の子息、クヌートでした。
フーゴー・エッケナー博士の学位は哲学博士で、社会経済学の学者でした。
ルートヴィヒ・デューア博士は、シュトットガルトの工業専門学校を卒業する前、鉄道や海軍工廠で実習を終えたあと、フェルディナンド・ツェッペリン伯爵がシュトットガルトのツェッペリンの事務所に招き、建造中の「LZ1」について説明して以来、「LZ2」以降すべてのツェッペリン飛行船の設計主任を務めました。
アルフレート・コルスマンはツェッペリン伯爵にアルミニューム材を提供していたカール・ベルクの娘婿ですが、エヒターディンゲンの事故のあとドイツ全土から寄せられた寄付金でツェッペリン飛行船製造社を設立したときに、その経営者として伯爵が招聘したものです。
クヌート・エッケナーはフーゴー・エッケナー博士の子息ですが、「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」世界周航時にも乗組員として参加しています。
その後、フリードリッヒスハーフェンで建造される飛行船の製造・組立・搭載、それに外注品の検品に至るまで責任を負っていました。クヌートの所掌外であったのはエンジン関係の製品だけであったと言われています。
建造中に設計の変更なども行われていますが、彼が立派に「LZ129」を仕上げました。


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