2005年06月15日

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(ブルーネル:4) グレート・ウェスタン、グレート・イースタン船名の由来

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I.K.ブルーネルが最初に手掛けた船は「グレート・ウェスタン」である。

その頃、彼はグレート・ウェスタン鉄道の技師長としてロンドン・ブリストル間の鉄道敷設や駅舎・鉄道橋・トンネルなどの整備を担当していた。

スティーブンソンが蒸気機関車を実用化し各地に鉄道会社が開業したが、一次大戦のあと各社は経営不振に陥っていたので政府主導でロンドン ミッドランド アンド スコティッシュ鉄道(LMS)、ロンドン アンド ノースイースタン鉄道(LNER)、グレート ウェスタン鉄道(GWR)、それにサザン鉄道(SR)の4社に再編成されたのである。

グレート・ウェスタン鉄道は、ブリストルの実業家達が大消費地であるロンドンとブリストルの交通・運輸の効率化しようと建設していた。
当時ブリストルとロンドンの間には運河はあったが、土手を馬で曳かせるナローボートは遅く、水位調整のための閘門も多く、時間が掛かっていたからである。

ブルーネルは高速運行のため、グレートウェスタン鉄道を2.14mの広軌で開業した(後日、1.45mの標準軌条に統一された)。

夕陽を浴びて曳航されるテーメレーアなどで有名な近代画家ターナーも「雨 蒸気 スピード グレート ウェスタン鉄道」と言う長い名前のついた作品を残している。

鉄道建設の会合で、ブルーネルが冗談のように「ブリストルから、ニューヨークまで蒸気船で定期航路を開設」する提案をしたところ、実業家やブリストルの造船所経営者などの賛同を得、瓢箪から駒で、検討委員会が発足したのである。

1765年、ワットが蒸気機関を開発して60年でストックトン・ダーリントンで鉄道が営業開始し、海上輸送への応用面ではアメリカで1807年にフルトンがワットの蒸気機関で「クラーモント」を走らせていた。
イギリスでも1812年に蒸気船「コメット」が就航し、1816年には「ハイバーニア」がホリーヘッドとダブリンを隔てるアイリッシュ海を7時間で渡っていた。

グレート・ウェスタン・スチームシップが1836年に設立され、その建造船は「グレート・ウェスタン」と命名された。

ちなみに、後に建造された「グレート・イースタン」の建造当初の船名は「リバイアサン」であった。

計画では前回述べたように豪州航路に就航することになっていたが、アジア航路に向けられることになってグレート・イースタンと変更されたのである。

挿絵は Arnold Kludas著 "Record Breakers of the North Atlanic" から転載したグレート・ウェスタンとそのプロファイルである。

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