2006年01月26日

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(客船のメニュー:22) Cunard:Aquitania(1937/10/27 Lunchoen)

AquiMenu371027.jpg

前回と同じアキタニアのランチメニューである。

前回提示した1948年7月のメニューは閉じた状態で幅17cm、高さ22cmなのに対して、このメニューは幅21cmあまり、高さ26.5cmとサイズも大きく、紙質も印刷も立派である。

メニューの内容も、戦後版では1ページ(右のみ)で僅か10数行で各アイテムとも殆ど単一であるのに対し、戦前のこのメニューでは両側にアイテム毎に数点のなかから選ぶようになっており、中央にはシェフのお薦めが載っている。

時代の差を見せられる思いである。

Aqui.jpg

アキタニアの絵葉書の原画はグロースターの広告包装博物館のロバート・オピーのコレクションから作られたものでキュナードラインの許可によって複製されたものである。
おそらく「QE2」のブックショップか、マージーサイドミュージアムで求めたものであるが、市中でも輸入販売されている。

RMSQM.jpg

メニュー表紙の絵は「クイーン・メリー」のレストランの壁画である。
「クィーン・メリー」は1936年に竣工しているので、メニューカバーになった当時は最新最大の客船であった。

Whole.jpg

船体中央部のCデッキからメインデッキまで3層抜きのキャビンクラスレストランの後壁、エントランスドアの上いっぱいに描かれたもので、フィリップ・コナードの筆によるものである。

Part.jpg

上のカラースキームの中央部を拡大表示したものである。
色彩のニュアンスが微妙に違うところはあるが、カラースキームを描くときにここまで忠実に描いているのは驚きである。

この「クィーン・メリー」キャビンクラスレストランのカラースキームは ファイドンプレス刊、ジェームズ・スティール著「QUEEN MARY」(1995)から転載した。


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