2006年11月03日
松江探訪(3)
朝、6時半の宍道湖。
少し霧が出ていたがまもなく消えて静かな湖面である。
7時を回って朝日が昇る頃、どこからともなくシジミ取りの舟が現れた。
船の上から鋤簾を引いているものも居るが多くは胸くらいの深さの湖底に降りて鋤簾を引いていた。
深さの関係か、松江大橋から嫁が島までの限られた湖面で操業していた。
嫁が島の向こうにはまだ朝霧が残っていた。
この辺りは少し深いのか、舟から鋤簾を引いていた。
こうして取ったシジミが温泉宿の朝食の膳に上がるのである。
宿の裏手に一畑電鉄のターミナルステーション「松江しんじ湖温泉駅」があった。
背景に見えるのは宍道湖の湖面である。
この電車は宍道湖の北岸を西に、出雲大社駅まで走っている。
ローカル線なので自転車持ち込み料金も設定されていたと思う。
この写真はちょうど6年前に撮ったものである。
駅舎も駅名も変わっているが周りはあまり変わっていない。
観光地松江には均一料金の循環バスが2系列走っている。
市営のレークラインと一畑バスの松江ウォーカーで、両方とも右回り・左回りで市内の観光スポットを繋いでいる。
写真はレークラインの電車風バスであるが、我々は松江ウォーカーに乗った。
松江城を取り囲んでいる濠を巡る堀川めぐりである。
小さな和船に低い幌が掛けてある。
いくつも橋をくぐるのでこの高さはやむを得ないかと思った。
ところが乗って驚いた。
乗客は子供連れを含む数人であったが、船頭さんが歓迎の挨拶のあと、幌を降ろし始めた。
幌を張ったままのパイプフレームがパンタグラフのように倒れるのである。
私は体を横倒しにしたので難を免れたが胡座をかいたまま体を前倒しにすると頭を押さえつけられて腰や股関節にダメージを来したに違いない。
この写真は乗り場を離岸したとき白鳥を撮ったものであるが、手前の船端に幌のフレームがリンクになっており船頭の操作で伸縮し幌を下げるのである。
ストロークの長さに注目されたい。
まもなく最初の関門に差し掛かった。
船頭さんはベテランで鼻歌交じりに操船していたが「ここでは風の強いときは舷側が当たります」と両舷を壁に当てて見せてくれた。
濠には白鳥、蒼鷺、鴛鴦、鴨などが住んでいる。
鴨の小隊と何度か行き会った。
餌が貰えると思って寄ってくるのであろうか?
舟から見上げる天守閣も悪くない。
濠端には、蒼鷺・五位鷺・翡翠などの野鳥の実寸大の彫刻や、土地の民話に出てくる幽霊などの碑も作ってあった。
舟を下りて、塩見縄手までぶらぶら歩いて小泉八雲記念館を表敬訪問した。
良い秋の一泊旅行であった。
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