2006年12月16日

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(飛行船:187) ツェッペリンアルバム(写真:第67回) 写真85 −LZ127 後部エンジンゴンドラ−

Bild85.jpg
[85枚目:後部エンジンゴンドラ]


この写真は側壁を取り外した船尾エンジンゴンドラを示す。

ラジエーターは前部にあり、その前に簾板がある。

冷却水温度の調整部は閉まっているが開けることも出来る。

マイバッハ・エンジンの燃料にはブラウガスかガソリンを使用するが、この補給には主船体から供給され、エンジンゴンドラに配置された操機手が行う。

5基のエンジンゴンドラと司令ゴンドラとの連絡は信号伝達装置によって行われる。

この写真では2翅のプロペラが装備されているが、4翅のプロペラも用意されていた。
プロペラの材質はトネリコとクルミ材であった。

動力はエンジンのクランク軸から直接プロペラに伝達されていたが、以前用いられていた長い推進軸による動力伝達方式より改善された方式であった。

このエンジン配置により司令ゴンドラでは殆どエンジン騒音で煩わされることはなかった。

飛行船が高度300〜500mで飛行しているときに窓を開けていてもエンジン音は地上にいるときより大きくはなかった。

全てのクランクシャフトは、静的にも動的にも適切なバランスで平衡させていたので司令ゴンドラでは振動は殆ど感じなかったと言われる。

エンジンゴンドラにも全長にわたってハンドレールが取り付けられているのが見える。

当時の飛行船には車輪のような降着装置は付いておらず、離陸の際も着陸時も100人を越える地上支援要員がハンドレールにつかまり、号令とともに引き下げたり押し上げたりしていたのである。


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