2009年11月13日

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未来の旅客用飛行船を考える(22) 気象情報

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先に飛行船運航の第1の課題は天候予報の困難性であると述べた。

世界最初の航空会社DELAGが創業した頃、信頼に足る気象情報は殆どなかった。

特に海洋気象については殆ど未知の領域であった。

「LZ127:グラーフ・ツェッペリン」は旅客用飛行船の可能性を探る実用実験船であった。

旅客用飛行船の旅客用居住空間は如何にあるべきか、航行中のサービスはどこまで行うべきかを実際に乗客を乗せて運航しながら探ると同時に、地表の測候所もあてにならない時代に上空の気圧変動や高度による気温の変化、風向・風速、上昇気流、下降気流、季節風、貿易風、熱帯性低気圧、地形による吹き下ろしなどを調べるために北極上空から赤道無風地帯まで営業運転しながら気象情報を集めたのである。

見出しの写真はDELAGの飛行船出発前に、ラジオゾンデの始祖みたいな風船で上空の風を観測している情景である。

現在は主要ポイントは10分おきに、疎らなところでも1時間毎に気象情報が無線で自動発信されているだけでなく、航行中の船舶や航空機から局部的な気象情報が報告されている。

従って、現在旅客用飛行船を運航しようとすれば、少なくとも突然予測しなかった天候急変による事故は未然に防げる筈である。

但し、世界中に空港や飛行場があり、現在飛行している飛行機を全部着陸させる余地のないほど飛行機が溢れており、非常に厳しい航空管制のもとで運航しなくてはならないことの方が大きく立ちはだかっているのである。

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