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(南独飛行船紀行:2) DZRを訪ねて(2)

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 搭乗券を受け取って、ツェッペリン・ラウンジの周りを歩いてみたが、まだまだ営業開始までには時間があるようであった。ラウンジや待合室をうろうろしていると我々2人だけ別室に呼ばれた。何事かと思いながらついて行くと、乗降の手順や安全についての説明を英語でしてくれた。乗客全員にあとで説明するけれども、そのときはドイツ語で行うから聞き流しておけば良いと説明してくれた。

 説明内容は、飛行船特有の話と航空機共通の注意事項であった。共通事項としては、出入り口や非常出口の配置、ライフジャケットの収納場所と着用要領、それに非常口のロック解除要領などである。この飛行船には非常用の酸素マスクはついていない。

 飛行船特有の注意事項は興味があった。まず、飛行船は繋留マストに繋がれており風によってスイングするから現場で掛員から指示があったら写真を撮ったりしないで速やかに乗船するようにピンで留められた飛行船の平板模型を示しながら説明していた。また、現場では2列縦隊に並んで待機し、指示があったら2人ずつ手早く乗船するようにとのことであった。

 この旅行に出発する前にその辺りのことを調べていると、1人ずつ体重を申告してそれに見合うバラスト水を放出するとか、体重計に乗せてその体重により座席を指定されるとか面白そうであったが特にそんな説明はなかった。

 それからしばらくして搭乗口のゲートが開き、1人ずつ名前を呼ばれて鍵束やガスライターを提出させられ、ホールドアップさせられて手持ちの金属探知機で入念にチェックを受けて待合室に入った。今回の乗客は11名であった。

 搭乗者全員が揃うと、先ほど英語で説明してくれた内容をドイツ語で説明し、和やかに質疑も交わされた。全員納得したところで専用ドアから場内に出て、待機していたマイクロバスで飛行船の傍まで案内されたが、そのバスに乗り込むときに「ここは空けておいて下さい」と両手杖の老婦人の席を確保していた。

 バスを降りると飛行船には2名の乗組員が乗っており、既にライカミング200馬力のエンジンは起動していたが騒音は気にならず、イヤプロテクタも不要で、通常に会話が出来る。グランドクルーは搭乗待機線のところに1人、ゴンドラの搭乗口の外に1人居り、船長とトランシーバーで連絡をとりつつ誘導していた。ウェイオフにはもっと手順を踏む必要があると思っていたが実にあっけない乗船であった。座席は自由席で皆流れるように順調に着席していた。我々は最後に乗船したが、私は船長席の後で1人だけ後ろ向きで向かいは同行のJである。向かい合わせに着席する何かと都合がよい。結局、コパイのうしろの席が空席になった。
 コパイ席に乗っていたのはフライトアテンダントのSさんであった。11人の安全ベルトを確認すると、もう飛行船は空中に浮いていた。

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2007年08月17日 21:05に投稿されたエントリーのページです。

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