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(南独飛行船紀行:6) ツェッペリン乗船(4)

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メーアスブルク

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 プファールバオ博物館のあるウンターウールディンゲンから湖岸沿いに戻ると、初めて来たのに何だか懐かしい雰囲気の景色が眼の下に広がってきた。メーアルブルクの町である。二日前コンスタンツからフェリーに乗って町の西端に設けられたフェリー乗り場で上陸し、木陰の駐車場に車を駐めて坂道を登ってマルクト広場に向かったのである。

 内部を見学した旧城も、テラスで食事をした新城も箱庭のように見える。ちょうど2日前訪れたときと同じくらいの時間帯である。観光客もちらほらと見える。「グラーフ・ツェッペリン」の絵はがきにも旧城を前景にいれたものがあるが、その頃と殆ど変わっていないような静かな街である。ガイドブックに寄れば人口5千5百と紹介してあった。

 この街には7世紀に建てられた旧城(Altes Schloss)と18世紀に建てられた新城(Neues Schloss)があり、旧城は当時のままの場内が見学できる。新城の内部は博物館になっていて2階には何機種か有名な飛行艇を開発したクラウディウス・ドルニエの博物館になっている。また、ウーバン氏の個人コレクションを展示したツェッペリン博物館や州立ワイナリーも有名である。

 コンスタンツやフリードリッヒスハーフェン、それにユーバーリンゲンと連絡船が結んでいるので昔からある東側の港のほかに西にフェリーターミナルが設けられ、街を歩いて散策する人のために木立の中に駐車場も整備されている。南向きの斜面には葡萄畑がどこまでも広がっている。

 我々の乗っているこの飛行船はツェッペリンNT07型の3号機で登録符字は「D-LZZF」である。
 初号機は「フリードリッヒスハーフェン(D-LZFN)」であったが、2005年から南アフリカでダイアモンド探査に当たっている。超精密な探査機器は飛行機やヘリコプターでは振動のため運用不能で飛行船の特性を活かした用途である。カナダでもダイヤモンドを含む鉱物資源の探査が検討されているが、アフリカで稼働中の飛行船はスケジュールに余裕がなく、飛行船新造には1年以上の納期を要するそうである。
 2号機は「ボーデンゼー(D-LZZR)」としてDZRが遊覧飛行に用いていたが、日本飛行船購入し「JA101Z」となったことはよく知られているが、5月31日に国土交通省航空局から航空運送事業許可を取得したと報じられている。同社の筆頭株主であった日本郵船は保有全株式を杤木汽船に売却し、飛行船事業から撤退している。

 ツェッペリン飛行船技術社はツェッペリンNT型飛行船を、小型のNT07(14人乗り)、中型のNT11(18人乗り)、大型のNT30(40人乗り)の計画を発表したが実際に建造したのは3隻のNT07のみである。

 飛行船はボーデン湖の北岸に沿って東に戻り始めた。この湖岸にはドライブに快適な道が走っているが、フリードリッヒスハーフェン近郊のマンツェル辺りから鉄道が併走している。マンツェルはツェッペリン伯爵が硬式飛行船第一号を浮揚させた縁の地である。

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2007年08月26日 18:11に投稿されたエントリーのページです。

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